東弁協叢書
第16弾 イメージ
髙中たかなか正彦まさひこ(東弁)
書籍出版事業プロジェクトチーム委員
市川いちかわみつる(東弁)

本書は大好評の「弁護士の○○学」シリーズの第3弾です。今回は弁護士経験30年超のベテラン弁護士を含む、かなりの実務経験を積んだ6名で執筆しました。自らの経験知を赤裸々に開示し、弁護士業務に潜むヒヤリハットやリスクから、弁護士として飛躍するためのノウハウや人生訓にまで切り込んだ、類例のない書籍となっています。
目次を見ていただいてもおわかりのように、「依頼者」「相手方」「裁判」「弁護士報酬」「事務所運営」「人生設計」「転落回避」と、細かくテーマを割り振り、座談会の形式で読みやすいようにまとめました。
さらに、座談会で取り上げたテーマについて、単独での論考を掲載しています。若い女性弁護士を仮想の聞き手とし、3名の仮名の弁護士がさまざまな疑問や難問について答える形式にするアイデアは、何度も企画会議を重ねたなかで生まれました。多様な経験を語る上で書き手が困らないように仮名にしたことで、より具体的で充実した内容となっています。
そもそも「弁護士の○○学」シリーズは、先輩弁護士が後輩を指導するシステムが崩れてきた現状を危惧して生まれました。

即独やOJT不足から、先輩から経験知・実践知を伝授される機会が大幅に減っているのは繰り返しお伝えしているところです。本書は平板な解説本ではなく、実用的な観点や人生設計に言及することで、若手弁護士の経験不足からくる悩みや疑問を埋めたいという一心で執筆しました。先輩弁護士のリアルな経験を盛り込んだ本書は、酒席で聞くような逸話も含まれていますから、弁護士を志す人から若手弁護士まで、必須の1冊になると思います。その一方で、経験を積んだ弁護士も活用できるものだと思います。今までの○○学シリーズは若手のみではなく、世代を超えて読まれているようです。本書も自分の経験と比較して参考にしたり、失敗を回避するヒントにしたりなど新鮮な発見があるはずです。
本書は、我々自身も熱中して執筆できた稀な本です。校正は海外旅行先でも行ったほどです。それぞれの稀有な業務経験を披露して、改めて知ったこともありますし、勉強にもなりました。この「生きた教材」を多くの方と共有できれば幸いです。



第7弾 イメージ
平岡ひらおかあつし(二弁)
書籍出版事業プロジェクトチーム委員
共同執筆の弁護士・事務職員のみなさんと編集者の方(前列中央の男性) 

法律事務所の職員は、まず弁護士の仕事がどんなものかを知ることが必要です。専門的な法律事務のガイドブックは数多く出回っていますが、聞きたいけど聞きにくい業務上の疑問や弁護士の専門用語、他の事務所での対応方法など、基礎知識まで言及するような書籍はありませんでした。そこで生まれたのが、事務職員が日々直面する疑問についてQ&A方式で理解しやすくまとめ、2012年に既刊した『Q&Aで分かる法律事務職員実践ガイド』です。その内容は、来客への対応や電話の取次ぎ方など日常的な業務のノウハウから、弁護士や法律事務所は何かといった基本的な知識まで網羅してしています。
もともと第二東京弁護士会の弁護士業務センターで行った事務職員向けの研修が非常に好評だったことから書籍化したものです。本書は5年ぶりに見直した改訂版になります。
経験年数25年のベテラン事務職員を含む4名の事務職員と弁護士で共同執筆しました。初版と同じくQ&A形式を踏襲し、4コマ漫画を入れて視覚的にも読みやすくしています。さらに内容をブラッシュアップするために、時間をかけて全問を見直し、法律改正や内容が陳腐化してしまった部分を大幅に加筆修正しました。

昨今ではセキュリティ面や個人情報の取り扱いが厳しくなっていますので、改正版では多数のページを割いています。
編集会議では、事務職員と弁護士が何度も討議を重ね、一般の書籍には記載されていない日常業務の細かな事例を出し合いました。事務職員と腹を割って話せる機会は少なく、会議の中で出た事務職員が抱える不満、弁護士が事務職員に抱える要望をざっくばらんに語り合えたことは貴重な時間となり、そのリアルなノウハウを凝縮した本書は、大変有用なものになったと感じています。
一通り目を通すだけで、新人事務職員は弁護士事務所の業務に必要な知識を身に付けることができ、現職員なら更なるスキルアップを図ることができるのではないでしょうか。もちろん弁護士が読んでも、他の事務所ではどのように対処しているかなどが参考になりますし、事務職員と良好な関係性を保つヒントもたくさん含まれています。初版を持っている方も、本書で最新情報に更新していただき、役に立てていただければ幸いです。

東京都弁護士協同組合事務局
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